日本のメディアでは現在のところ殆ど取り上げられていないが、もしかしたら今後世界市場に大きなインパクトを与えるかもしれないニュースがあった。ことの発端は、イーロン・マスクの「米国フォートノックスに本当にゴールド8000トンがあるかどうか確認しようじゃないか」みたいなツイートだった。
このイーロン・マスクのツイートの背景にはゴールドに興味がある人なら殆どの人が知っているであろう都市伝説がある。それは、米国には帳簿上8000トンの金があり、そのうち4580トンほどの金がこのフォートノックスにあるとされているが、実は帳簿通りの金なんて本当はないのでは?というものだ。何故そんな噂が立つのか?
それは前回、保管量の正式な監査が行われたのは1974年で、それ以来今日に至るまで一度も監査が行われていないからだ。つまり1974年以降、保管量を確認した人は誰もいないことになる。しかも、真偽のほどは定かでないが、政府の要人が立ち入ろうとしたり、きちんとした監査をしようと思っても財務省がこれを許してこなかったとも言われている。なんか怪しい。そりゃ「本当は帳簿通りの金なんてもうないんじゃないの?だから監査もさせないんじゃないの?」と言う噂が立つわけだ。
イーロンマスクが政府効率化省でUSAIDなど色々な無駄遣いをカットしようとしている中で、どう言った意図でその矛先をフォートノックスに向けたのか分からない。ただ頭の良いイーロンのことだから、単なる気まぐれの発言とも思えないし、裏に何かありそうな気もする。しかも、その確認をライブ配信するとも発言しているらしい。面白すぎる。
ここまででも、「えっ!」と思うニュースだが、このイーロンの発言を受けて、昨日トランプが「フォートノックスに行って、金が本当にあるかどうか確認しようじゃないか」「もし、金がなければただじゃ済まないだろうね」とメディアのインタビューで公式に発言したのでさらに驚かされた。大統領の発言で俄然現実味が増したからだ。
金が帳簿通りあれば問題ないが、もし帳簿より遥かに少なかったりしたら・・、ドルが暴落して世界市場が混乱し、本当に「ただじゃ済まない」事態になるかもしれない。また、「円建て金価格最高値更新」の背景にあるもの、でも触れたように、最近、大量の金地金がロンドンからニューヨークに運ばれているのも何か関係があるのかと勘ぐりたくなる。
全て憶測に過ぎないけど、ひょっとしたら世界市場を大きく揺るがすかもしれないようなことを、内密に進めようとせず、メディアのインタビューで「やるぞ」とさらっと言うのがトランプの面白さでもあり、恐ろしさでもある。本当にやるのか?やるなら、いつ誰がやるのかなど、まだまったく分からないが、ひょっとしたら、これが今後ゴールドの上昇をさらにに加速させるかもしれない。興味のある方はこのフォートノックスに関するイーロンやトランプの今後の発言に要注目です。