私の現在のポートフォリオ
分散投資は運用の基本中の基本だ。でもその分散の内容や度合いは人によって大きく異なる。効率的フロンティアとか、最適ポートフォリオとか、ググればいくらでも出てくるが、私自身はあまり意識したことがない。私自身の現在のポートフォリオはざっくりと以下の通りだ。
- 日本株35%、
- ゴールド30%
- 米国株25%
- 現金その他10%
ご覧の通り株式の割合(日米で60%)が圧倒的に高い。最適ポートフォリオという観点からは株の割合を減らしたり、債券など異なる資産クラスのポートフォリオに分散したりした方が良いのだろうけど、私はそうしない。それには理由がある。
株式割合が多い理由
資本主義の世界ではみんながより豊かになりたいと思う欲望が消えない限り、中長期的に経済は必ず成長する。経済が成長し、より多くの物やサービスが消費されるようになれば、それらを生み出す会社の価値(株価)も当然上昇するはずだし、実際に歴史がそれを証明している。今だに「株はギャンブル」という人もいるが、そう言う人たちは、リスクをとって起業したり、それにお金を出す人がいるからこの資本者義社会は成り立っていることを根本的に理解していない。
また、株式会社は通常自己資本に、借入金を加えるかたちで資本を数倍に膨らませて(レバレッジをかけて)いるから、原理的に自己資本が単体で生み出す以上の超過利益を生み出せる仕組みになっている。例えば利益率が同じ5%でも、自己資本1000万円だけの場合は利益は50万円、借入をして総資本1億円とすれば、500万円の利益となり資本効率が上がる(もちろん諸刃の剣の側面もある)。トマピケティ氏が唱えた有名な以下の公式も、株式投資などをせず、勤労所得だけの人が不利になることを端的に示唆している。
以上のことをきちんと理解できていれば、資本主義世界で株式が投資の王道であることは疑いようがない。もちろん、日本株のように中長期的に株価が低迷する場合もあるが、時間軸を長く取れば取るほど、株式が最善の選択と言う帰結になるだろう。だから私のポートフォリオは常に株式配分が高い。
集中投資がFIRE達成を早める原動力に
もうひとつは、その時々の情勢を見ながら、本来の価値から割安に放置されているもの、あるいはこれから成長するだろうという資産クラスに集中的に投資する手法を取っているからだ。今はこれから日本株とさらにゴールドに資金が向かうと思っているので、両資産の配分が多くなっている。
以上が、私の投資に対する考え方であり、分散投資よりも集中投資というスタイルになっている。この手法はやはりリスクがあり、時に心臓に悪い時もある。だから、誰にもお勧めできる方法ではない。ただ、自分の読みに自信があるときはリスクを大きく取ってでも集中投資することが必要だと私は思っている。そうした集中投資が大きな超過リターンを生み出してくれるからだ。今振り返れば、それらがFIREを達成するのに大きく貢献してくれた。
過去の例で言えば、ドル円が75円まで行った時に、FXでレバレッジをかけてドルに集中投資し、123円で売却したことや、2017年には1オンス1200〜1300ドルくらいの時に金先物に投資し、2021年ごろに売却。こちらも集中投資で大きなリターンを得た。それは、マーケットを見ていて、ドル円が明らかに行き過ぎている、溢れかえるマネーに対し金の価値が割安に放置されていると感覚的に感じたからだ。私はこうした直感を大切にしている。
分散投資、集中投資は人によってその解釈や程度も異なるし、自分のしっくりくるスタイルで投資をするのがベストだと思う。特にまだ資産形成中の投資初心者の方は、分散投資を基本にポートフォリオを組むべきだと思う。ただ、ある程度の資産が築けてマーケットに対する感覚が養われてきたら、こうした集中投資にもチャレンジして見ても良いと思う。それがあなたのFIRE達成を早めてくれるかもしれない。