数週間前から東京や大阪で財務省解体を叫ぶデモが始まり、参加する人々が続々と増えている。当初メディアが取り上げる気配は全くなかったが、SNSなどでそうした姿勢に批判が高まり参加者が増える中、テレ東が初めてニュースで取り上げ、ヒカルなどYouTubeのインフルエンサーも参戦するようになって勢いを増している。
このデモに対して、ひろゆきなど数名の著名人が、財務省解体をデモでいくら叫んでも全く意味がない、財務省解体や減税を政策として掲げる政治家を動かさなければ、国民の生活は全く変わらないと言う意見を述べている。確かにその通りだとは思う。「財務省を解体しろ!」といくら叫んでも、実際に法案化して動かすことができるのは政治しかないからだ。
ただ、メディアが、財務省を批判するような報道には消極的なことや、政治家が機会を伺っては増税や社会保険料の徴収強化をしようとする、その背後には財務省官僚がいて、メディアや政治家を操っているのでないかと疑っている人が多いからこそ怒りの矛先が財務省に向かうのだろう。どこまでが真実でどこまでが陰謀論なのか、我々一般人には分からない。
私自身は、デモで財務省を解体することができなくても、意味がないとは思わない。少なくとも今までこうした問題に興味がなかった人が、関心を持ち、いまの官僚・政治体制に問題ありと感じれば、選挙に行って、それらを打破してくれそうな政治家に投票する可能性がある。税や社会保険が年々増していることに対しては不満を感じている人が多いから、ひょっとしたら夏の参院選で大きなうねりになる可能性もある。
もうひとつ思うことがある。こうした政治への不満に対して我々ができるのは残念ながら1票を投じることだけだ。もちろん馬鹿にはできない。でも政治が動いて自分が理想とする社会へ変わってくれたら良いが、そうでなければ自分の人生を国や会社に左右されることになる。それは人生の選択肢を奪われることに等しい。だからこそ、投資で経済的自立を達成することが何より重要だと改めて思う。時間はかかるが、選挙と異なり、これは自分だけの努力で達成可能だ。
振り返れば、私も20代の頃に感じてい会社や国に対する不満がFIREの大きな原動力になった。だから、もしあなたが、今の政治や社会体制に不満を抱いている一方で投資にはこれまで無関心であったなら、デモに参加したり、投票で1票を投票するだけでなく、ぜひ投資にも興味を持って一歩を踏み出して欲しいと思う。社会を変えるより、経済的自立を達成する方がはるかに道は優しいのだから。