人工ダイヤモンド、天然以上なのに価格は「7分の1」!?ー国内唯一のダイヤ種結晶製造企業イーディーピー

数年前から日本でも少しずつ普及し始めていた人工ダイヤモンド。最近、メディアでもよく取り上げられている。天然ダイヤと減量・成分・構造が全く同じで天然の数分の1程度と言う価格が大きな魅力となっているようだ。天然なら1カラットで100万を優に超える価格なのに、人工ダイヤなら20万円ほどで買えるらしい。

プロでも専門の機器を使わないと見分けられないようだし、天然物と違って不純物ゼロということだから、理論的には人工ダイヤの方が美しいということになる。じゃあこの価格差はどう考えるべきか?

天然物のダイヤは原石となるまで何十億年かかるとも言われているから、その悠久の時の結晶という点が価値の源泉であり価格差と考えるしかないが、天然より綺麗で、価格が数分の1なら人工ダイヤを選ぶ人が今後もっと増えるに違いない。鉱山採掘など必要なく環境にやさしい点もプラスだ。

さて、私が今日この話題を出したのはダイヤモンド自体に興味があるからではない。この人工ダイヤの元となる種結晶を国内で唯一製造する企業に数年前に投資をしたからだ。イーディーピーという企業で実は大阪豊中市に本社がある。2022年に上場して間もない頃に、面白そうな会社だなと思って投資した。

世界有数の技術力と圧倒的な価格競争力で株価は一時期5000円を超える高値まで上昇したが、現在は何と600円台と低迷している。どうしてこうなってしまったのか?色々原因はあるのだけど一番大きかったのは、経産省により種結晶の輸出規制を受けてしまったからだ。

その理由はダイヤモンドウエハの持つ将来性。ダイヤモンドは宝飾品としてだけでなく、その優れた耐圧性、熱伝導率、省エネ性などで、半導体としての研究開発が進んでおり、将来、量子コンピューターのキーデバイスになるとも言われている。そうした国家にとっても命運を分けるような重要な技術が他国、特に中国やロシアなどに流れることを恐れてのものだろう。

しかしこの輸出規制が大幅な売上低下を招いたため、株価はその後、下落の一途を辿ることになった。また輸出規制を受けている間、ライバル業者がシェアを奪い販路を奪われる結果となり、輸出規制が解除されてからも株価上昇のきっかけを掴むことが出来ないまま今に至っている。

でも私はいまだに株を保有している。それは、この会社が世界をリードする大型単結晶を作る技術力を持っているからだ。実際、30×30mmの単結晶の製品化の目処もつき、今年12月には2インチモザイクウエハの製品化も視野に入れているようだ。加えて、急速に拡大する人工ダイヤモンドの宝飾市場を睨み、自社の単結晶を使った人工ダイヤの販売も始めるらしい。

輸出規制による打撃は確かに大きかったが、こうしたイーディーピーが持つ世界有数の技術が開花したときに株価は再び大きく上昇すると読んでいる。もちろん、日進月歩の世界なので、技術的優位性を保ち続けられる保証はどこにもない。コケて痛い目に遭う可能性も多分にある。でも将来の成果を夢見て種のうちに仕込んでおくのが投資の醍醐味だし、そんな夢のある銘柄に投資するのが私のポリシーだ。テスラだって長い間こんな会社潰れると言われ続けたではないか。

あなたが、今後、宝飾店で人工ダイヤを見かけることがあったら、ひょっとしたら、その種結晶はこのイーディーピーが作ったものかも知れない。個人的には真珠のミキモトやタサキのような人工ダイヤモンドにおける世界有数のブランドになって欲しいと期待している。

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