今日、ようやく令和6年度の確定申告を終えた。現在、金融所得だけで生活している私は殆どの取引を特定口座・源泉徴収ありで行なっているので、本来はそれだけで納税が完結する。だけど、諸事情あって一般口座で売買を行なっている株式が一部あるため毎年確定申告を行なっている。
確定申告は確かにちょっと面倒臭いところもあるのだけど、一昔前は確定申告のため、わざわざ税務署に行くか、申告書を郵送しなければいけなかった。それが、現在ではパソコンやスマホで簡単に手続きが済むので以前に比べればグッと楽になった。医療費控除のための領収書や生命保険料控除証明書も提出する必要はない(税務署から指示があった場合は提出の必要があるが、今まで指摘を受けたことはない)。
確定申告といえば、昨年、河野太郎が自民党の総裁選で「国民全員、確定申告」の公約を掲げたことを覚えている人も多いと思う。批判も多かったようだが、私はこれには大賛成だ。年末調整はある意味便利な制度だが、人任せにすることで税や社会保険料への関心を薄めてしまうからだ。実際、殆どのサラリーマンは給与の手取り金額しか見ていないのではないだろうか。私も若い時はそうだった。
ある研究機関の試算によれば、年収500万円くらいで税金・社会保険料の割合は20%程度になるらしい。かなりの割合だが、その金額や内訳を把握している人は本当に少ないだろう。年末調整でなく、確定申告をするようになると、年金保険料や健康保険料などを自分で入力するから、きちんと金額を把握するようになるし、負担すべき税額もどのように計算されたかある程度把握できるようになる。
もし、確定申告が義務付けられれば、当然、税と社会保険料の負担額への認識が高まるから、国民もその使い道に厳しい目を向けるようになるだろう。つまり、政治への関心も高まるはずだ。何よりFIREを目指すなら、税や社会保険の仕組みをしっかりと理解し、毎年、自分の懐から出ていくお金をしっかりと把握する必要がある。自分で確定申告するようになれば、金融リテラシーも上がるはずだ。事実、私の知り合いでFIREしている人たちは、税や社会保険料への意識がとても高い。
これまで一般的にサラリーマンが確定申告する必要は殆どなかったが、働き方が多様化する中で、副業を認める会社が増加傾向にある。副業所得が20万円以上ある人や、給与を2ヶ所以上から受け取っている人は確定申告をしなければいけないから、今後、副業で稼ごうとする人は確定申告をする必要が出てくる。その意味で、確定申告を通じて税や社会保険料の実務的な知識を身につけることは、FIREを目指す人にとって、今後必須のスキルになると言えるかも知れない。