BRICS+新通貨「The UNIT」は金本位制への回帰!?

昨年、耳にしてからずっと気になっているニュースがある。それはBRICSに中東諸国などを加えたグループBRICS+で新通貨「The UNIT」の発行を計画しているというもの。同諸国間ではこの新通貨で国家間の決済や取引の支払いを行えるようにするらしい。実質的なドルの締め出しということになるが、どうしてこんな動きが出てきたのか?

BRICS+を構成する国々はロシアや中国など米国に不満を持つ国が多いが、米ドルが基軸通貨である限り、対外的な決済や外貨準備としてドルが必要となり、そのくびきから逃れられない。一方でこれらBRICS+諸国のGDPは既にG7全体より大きくなっている。ならば、新しい通貨を使って、米ドルに支配されない独自の経済圏をつくってやろうということなのだろう。

ただ、やはり世界経済の中心はドルであり、アメリカ。BRICSなどの国々が協力して新しい通貨を作っても信認を得て流通させるのが難しいのは容易に想像がつく。そのため新通貨「The UNIT」は、金40%、BRICS+通貨60%で価値を構成する半金本位通貨でペッグ制(固定相場制)を想定しているようだ。詳細は不明だけどブロックチェーンも採用するらしい。

細かいことは置いておいて、最大のポイントはゴールドが40%入っているという点。そう、これはまさに金本位制への回帰ではないか!1971年ニクソン・ショックで金と交換できなくなってから、約50数年の歳月を経て、金が世界通貨の主役に戻ってくるかもしれないということだ。各国の中央銀行の金購入が2022年から2024年まで連続して1000トンを超えているのも、そうした動きを先取りしたものかもしれない。

トランプ大統領はこうした動きに対して、もし新通貨を導入するなら150%の関税を課すと脅しをかけているが、こうした反グローバル的な政策はますますドル離れを加速させるだろう。そして資金がドルを離れて向かう先の大きな一つがゴールドであることは疑いようがない。

この新通貨が本当に実現するかどうかはまだ分からないが、もし導入されるとなったら、金価格は当然上昇するだろう。トランプ大統領「フォートノックスに金は本当にあるのか!?」でお伝えした金保管量の監査もそうだが、ゴールドを巡るこうした様々な怪しい動きを見逃してはいけない。これらが大きなうねりを作りだすと思うならやはりポートフォリオにおける金の配分を今のうちに増やしておくべきだ。

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