ソシオネクスト、Googleと戦略的パートナーシップを発表

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ソシオネクスト約13%の大幅上昇の理由

今日は保有銘柄のひとつ、ソシオネクスト(以下ソシオ)が13%近い大幅な上昇となった。その理由は、Google Quantum AIと戦略的パートナーシップを結ぶと言うニュースが発表されたこと。Google Quantum AI はGoogleの量子コンピューター研究チーム。ソシオと共同で次世代量子コンピューティングシステム用のSoC (System-on-Chip) を開発するらしい。

次世代量子コンピューターというGoogleにとっても会社の命運を左右するような大きなプロジェクトのパートナーとしてソシオが選ばれた意味はとても大きい。しかも、カスタムSoC世界No.1のBroadcomを差し置いての提携と言うことで、大きなサプライズとなった。

ソシオネクストの強み

ソシオは2022年10月に上場して、その直後くらいにIPOセカンダリーとして投資した。株価はその後右肩上がりで上昇を続けたが、2023年7月富士通やパナソニックなど大株主の保有株売却により株価が22%も下落し「ソシオショック」と呼ばれた。その後株価は2024年4月ごろまで戻り歩調であったが、米国の対中半導体規制やそれに伴う業績悪化もあって、かつては5000円を超えていた株価も2000円を割り込む水準まで下落していた。投げ売りした人も多かったと思うが、私自身は売却する気持ちは全く起きなかった。ソシオの持つ強みは以下の3点でそれは失われていないと思ったからだ。

①生産工場を持たず半導体の設計に特化したファブレス企業であること
②顧客のニーズにカスタマイズした半導体(カスタムSoC)設計技術に強みを持つこと

③カスタムSoCへのニーズの高まりを考えれば将来的に大きな潜在需要を持つこと

①については常に最新設備への投資が必要でコスト負担が重く小回りの効かないファウンドリより、優秀な技術者さえいれば会社を大きく成長させることが可能である点、②については、カスタムSoCで既にBroadcomに次いで世界市場2位となる技術力を持っていた点、を評価して投資した。

半導体というと、やはりエヌビディアを思い浮かべる人が多いと思う。半導体の設計に特化したファブレストいう点では、ソシオと同じだけど、エヌビディアがサーバーやGPUなど汎用性の高い半導体を手掛けるのに対し、②で示した通り、顧客の用途に合わせてカスタマイズした半導体を設計する点が大きく異なる。

AIやデータセンター向けの用途として今後も最先端半導体の需要は衰えないと思うが、汎用製品であるが故にそのパワーを持て余したり、消費電力が大きすぎたりして効率が悪い面もある。顧客のニーズに合わせて、特定用途に特化した SoC (System-on-Chip)の方が効率良く処理を行えるし、消費電力も少なく済む。その分顧客の満足度も高くなるはずだから、今後、益々その需要が大きくなって行くだろうと読んでいる。それが③の理由だ。

SoC (System-on-Chip) が世界の潮流となる時までガチホ!

ここ数年の動きでは、例えばApple (M2チップ)やTesla (Hardware 4)も自社製品に載せる半導体をカスタマイズ、内製化したけど、これは巨大企業だからこそ出来ることだろう。多くの企業はそこまでの技術力も資金力もないはず。一方で多くの企業が自社製品向けに半導体をカスタマイズし、性能を向上させたいと思っているだろうし、AIの普及、DXの進展とともに今後のその潜在的なニーズはますます高まると読んでいる。

ソシオネクストを2年以上保有して、大暴騰も大暴落も両方経験しているが、この大きな流れとソシオの技術力に疑問が湧かない限り、今後も長期的に保有するつもりだ。Googleとの提携が後々どのような花を咲かせるのか本当に楽しみだし、SoC (System-on-Chip) が世界の潮流となった時こそ、ソシオネクストが本当の意味で評価される時だと思っている。半導体関連株はとにかく値動きが激しいし、今後もトランプ大統領にマーケットが振り回されて大きく下落する時もあるだろうけど、同じ考えのホルダーの方は、ガチホですよ。

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